汚染される日本の大学
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ディプロマミル関連の報道

少し古いですが、下記のリンクは2004年5月のCBSの報道です。ビデオの中でリポーターが、PWUの学部長のDr. Norman Henteleff に経営管理学士のプログラムについてインタビューしています。そのインタビューの中で、学部長自身が”3-4ヶ月で卒業できる”と述べ、さらに、どうやってオンラインのテストで簡単にパスすることが出来るかの裏技を披露しています。仕舞いには"Whether you learn it or not we don't really care"(学んだかどうかは、我々は気にしていない)とまで言っています。


ビデオ http://kcbs.dayport.com/viewer/viewerpage.php?Art_ID=2647&tf=video_player.tpl&Category_ID=71


汚染される日本の大学-偽学位問題-

海外のディプロマミル(学位製造販売大学)の日本における認識の低さにある種の危機感を感じている。

何故、私がこのような危惧を持ち始めたかについて、若干経緯を説明したい。
現在アメリカ留学中の小生と近い研究分野で、日本で活躍中のT氏の存在を知り、興味から氏の所属する大学のホームページにアクセスしてみた。そこで、驚くべきことを発見してしまった。T氏の経歴はパシフィック・ウエスタン大学大学院博士課程修了Ph. D(社会学)と堂々と大学のホームページで紹介されているのだ。そして、一般には(講演会、アカデミックな場)では社会学博士としてのみ自己を紹介していることが分かった。

T氏の経歴にあるパシフィック・ウエスタン大学とは現在アメリカにおいてディプロマミル(学位製造販売大学)として広く知れ渡っている大学のうちの一つなのだ(非認定校であってもきちんとしたプログラムを提供している大学があり、非認定校が全てディプロマミルということにはならないので注意が必要)。言い換えれば、アメリカでは大変な有名校(?)の一つである。最近ではアメリカの官公庁の職員がこの学位を利用して重要なポストについていたこと等が知れ問題になっている。詳しくはCBSニュースがとりあげた記事を参考にしていただきたい。http://www.cbsnews.com/stories/2004/05/10/eveningnews/main616664.shtml
このようなお金で買った学位を持って、教育機関である大学にて教鞭をとっている人がいることを知り、大変ショックを受けた。また、その他にも、インターネットで検索してみるだけで、こういった学位を持って教鞭にあたっている人が結構いることが分かった。

何故、私がこのような問題を、問題として捉えているかというと、以下の二点に絞ることができる。第一点は、誰も偽物の学位を持った教育者から学問を受けたいとは思わないこと(しかも、それとも知らずに)。いったい何処の親が自分の子供をお金で買った偽学位をもった教育者に教育してもらいたいと思っているのだろうか。第二点は、このような教育者をはびこらせておくことは、日本国内はもとより海外から見た日本の教育・研究水準に対する評価を著しく低下させる危険性をはらんでいると考えるからだ。

教育者として、このような行為を行うことは、仮に法律に触れることがなかったとしても、自己が目指す学問分野に対して、また、その学問を学ぶ学生や研究者、そして社会に対して多大な損害と信頼の欠落を生むことになる。私は、このような状況について、教員を採用する側である大学が認識していないのではないかと思い、大学に匿名で問い合わせをした。しかし、まったく返答もない。重要な問題とも思っていないのだろう。

私自身、この問題については深い知識があるわけではなく、文部科学省の大学教員の審査においてこのような学位の扱いがどのようにされているのか等について詳しくは知らない。しかしながら、海外との関係で考えてみると、いかに日本においてはこのような研究者が野放しにされているかが分かると思う。教育とは教師と生徒がいて成り立つものであり、その一方である教師が偽学者であった場合、生徒は本物の学問を修得することができるのだろうか?私は、この問題を日本における一つの社会問題として、広く世間に知ってもらいたい。そして、考え、判断してもらいたい。